西海市立S中図書館

2016年1月13日水曜日

品川裕香『「働く」ために必要なこと 就労不安定にならないために』ちくまプリマー新書、2013

ちくまプリマー新書の新刊はいつもチェックしているのですが、これはなぜか見落としてました。2014年12月の時点で、三刷まで出ています。


この本によれば、2012年の統計では、高卒・大卒で就職した中で、3割以上の人が3年以内に離職してしまっていたそうです。やめる理由としては、やりたい仕事ではなかった、やりがいのある仕事ではなかった、自分の能力を発揮できる仕事ではなかった、といったものが多いそうです。

前半は、そうした人からの聞き取りに基づく、いろんなケースや、小・中・高・大で行われているキャリア教育の実状と問題点が、詳細に紹介されています。

後半は、なぜ仕事が続けられないのかという原因の分析と、その対策。

犯罪学に基づく「リスク要因と保護要因」という視点からの分析や、本人の脳科学的特性を踏まえた自己理解の必要が説かれます。

前半に比して、後半がややもの足りない印象ではあるのですが、就職しようとする年齢の子を持つ親や、教師にはお薦めです。

働こうとしている人へは、就職したら、とにかく4年以上は続けて働くこと、というアドバイスがあります。3年以下では、その仕事を経験したとは見なされないので、望むような仕事への再就職は極めて困難になるとのことでした。もし、そういう年齢の人がこれを読んでいたら、このことだけは忘れないでください。

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