西海市立S中図書館

2017年12月4日月曜日

建前の教育

昨日紹介したALTが、別の話をしてくれました。

今、彼が行っている小学校のことですが、授業中、子どもたちはとても自由に、にぎやかに活動をし、話をしているそうです。

それが、授業の終わりに、教師から今日の授業はどうだったかと聞かれると、突然様子が変わり、改まった態度で「とてもよかった」「勉強になった」といった、建前の話をするのだそうです。

彼としては、子どもたちの率直な批判を期待しているようなのですが、決してそれは語られない。

授業のまとめの場面では何を求められているのか、言われなくとも子どもたちはちゃんと理解して、教師の期待に応えるわけです(忖度!)。そこでは議論は求められていない。

こうして、授業の中味よりも、秩序と平和の方が大事だということを、小学校の頃からしっかり仕込まれて子どもたちは育っていきます。

学力向上の方策の一つとして、授業の最後に振り返りをしろなんてことがうるさく言われるのですが、それがなかなか学力向上に結びつかないのは、このように、それが本質的な反省ではなく、形式的なまとめになってしまっていることも理由の一つではないでしょうか。

考えるとばかばかしくなってきたりもするのですが、かくして、建前で話すこと(つまり目の前の事実とは違う言明をすること)は、決して悪いことではないのだと、子どもたちの精神に染み渡っていき、ひいては、どこぞの政治家のように、公の場で白々しい言明をし続けることも、少しも罪ではなく、当然許されることなのだと、世の中全体で確認していく運びになるわけです。

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