西海市立S中図書館

2019年7月4日木曜日

ピース・キャラバン

今日は、勤務校に、大学生のボランティアが4名来てくれました。2年生の生徒と一緒に、2時間の枠の中で、核兵器廃絶を考えるワークショップを行ってもらいました。

世界に現存する核兵器の数だけBB弾を持ってきて、それを別の容器に移しかえるときに出る音で、1万4千弱という数の途方もない多さを実感させるパフォーマンスが印象的でした。

また、核兵器が必要だと考えている国々の立場も無視せず、被爆国でありながらアメリカの核の傘に依存している日本の微妙な立場にも目を向けるなど、高い視点からこの問題を考えていこうという姿勢は、特によかったと思います。

4名のうち2名は長崎出身、他の2名は県外から来ているとのこと。大学の中では、こうした活動をしている者は少数派だと言っていました。


国政選挙が近づいた中で報じられることの一つに、若い年齢層になるほど保守党支持者が多くなる傾向があるということがあります。

それを聞く度、私は愕然としてしまいます。年齢を重ねれば、権力者におもねったり、命じられなくともその意向を忖度して行動するようなことが世の中にはありがちで、それも仕方のないことだと思う人が増えるのは理解できます。しかし、若者はそうではないものと思っていました。

これだけでたらめをやっている政府を、それでも支持する十代・二十代の若者たち。

これも戦後教育の大きな成果の一つなんでしょう。世の中には、これまで組合系の教員が偏った教育をしてきたとかたくなに信じている人がいるようですが、もしそんなことがあったとして、でも、その成果がこれなんです。

本当は、そんなことではなくて、学校教育のあり方そのものに、根本的な欠陥があったのだろうと思います。教師は絶対に正しくて、生徒はひれ伏してその教えを請わなければならないといった学校内の権力構造。あらゆる問にただ一つの正解があり、教科書をせっせと暗記すればそれにたどり着けるという素朴な学習観。パウロ・フレイレが貯蓄型と呼んだ知識偏重の単純な学力観。巧妙で根深いいじめの蔓延。

こうしたことの全てが、理想にはほど遠い現実を、淡々とそのまま受け入れていく多くの生徒たちの心性を養ってきたのだろうと思います。変わるはずもないものに抵抗するなんて、そんなコスパの悪いことは決してしない生徒たちを。


今日学校に来てくれた彼等には、ぜひこれからもこうした活動を続けていってほしいと思います。少数派であっても、小さな足跡は確実に残せます。今日一つ成し遂げたことを、明日の力にしていってください。

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