西海市立S中図書館

2020年1月18日土曜日

材料の歩留まり

1月12日の、楕円展示台の実作の項で、今回作った物は歩留まりが悪いということを書きました。

平湯先生設計の手作り図書館家具は、常に、材料の歩留まりも考慮に入れた設計になっています。機能的で、かつ材料にも無駄がない設計です。

写真を見てもらうと分かると思いますが、使用した2枚の合板のうち、1枚は、ほんのちょっとしか使っていません。それでも、作ろうと思うなら板を2枚買わなければならず、オリジナルの大きなサイズで作った場合と、コストは変わらないことになってしまいます。

歩留まりといえば、もう亡くなりましたが、長岡鉄男さんというオーディオ評論家を思い出します。

図書館とは関係ありませんが、数多くの自作スピーカーボックスを設計した人です。FOSTEXというメーカーの安価なスピーカーユニットを使って、性能のよいスピーカーボックスを作ることができました。

20代の頃、この人の設計で、大小何組かスピーカーボックスを自作しました。氏の図面の特徴の一つが、合板をちょうど使い切るサイズで設計されているということでした。

氏は、箱をいったん設計した後、材料の歩留まりがよくなるように、サイズを調整して、設計を完了していたようです。

それから、板と板の接合は、ほぞを切ったり、切り欠きを作ったりしない単純なものでした。くぎと木工用ボンドの併用で強度を出すというのが氏のやり方でした。

限られた予算を有効に使うためには、材料の歩留まりも重要な要素の一つになると思います。また、材料の複雑な加工を前提にすると、誰でも気軽に作れるものではなくなってしまいます。

このブログで紹介してきたものは、ほとんどが単純な接合で作られていますから、特別な木工技術を必要としていません。素人の日曜大工レベルの技術で十分作れるものばかりです。

木工用ボンドは必要に応じて使いますが、木ネジだけで必要な強度が得られる場合は、なるべく使わないようにしています。使うと、乾いた後のやり直しがききませんし、作るときの手間が増えるのを避けるためです。

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