9月に新学期を始める理由の一つとして、留学生に都合がいいということがあげられています。文部科学省の発表した統計によると、近年の、留学生数の著しい増加傾向は明らかです。
しかし、そのほとんどは、夏休みなどを利用して行う短期の留学です。1年以上の留学は、留学生総数の1~2%程度。半年~1年未満の人がせいぜい1~2割。留学生の数を押し上げているのは、1か月未満といった短期の留学者で、何月に新学期が始まろうが、関係ない人が大多数なのです。夏休みと入試や就職の時期が重なると、短期の留学生はむしろ減ってしまうかもしれません。
では、1年以上留学する人にとってはどうなのか。これも、一概に9月が都合よいとは言えません。
私の娘は、高校時代に断続的に留学しました。のべ8か月間。すべて、語学学校への留学です。さまざまな目的・レベルの語学学校があって、留学する時期も自由に選択できました。高校が通信制だったので、学校のテスト期間の合間を縫って留学していました。
高校卒業後は、その年の2月末から約1年間、大学附属の語学学校に通いました。レベルが8段階あって、2か月ごとにテストを受け、次のレベルに上がることができます。そして、8のレベルを終了するとその大学の入学資格が得られます。いつスタートし、いつそのレベルに達するかは、その人次第。途中で別の検定試験のようなものを受けることもできて、ある程度語学力がつくと、それを受ける人も多かったようです。
娘の場合、レベル4から始め、ちょうど1年ほどでレベル8を終えることができました。3学期制の大学で、5月スタートの学期から入学することができました。その大学では、9月・1月・5月と、年間3回入学のチャンスがあります。(ちなみに、5月からの夏学期は、夏休みにして、行かないという選択もできるようです。)
本格的に外国の大学に行こうとするなら、娘のように、まず語学力を磨いてからという人も多いと思います。その場合、9月新学期にこだわることは、あまり意味をなしません。
義務教育の学校の場合、国内で転校するなら、年度の変わり目が都合がよいということはあります。地域によって使っている教科書が違い、学習する内容が前後していたりするからです。でも、留学の場合、一人一人の条件が多様すぎて、9月始まりが都合がよいと一概に言うことはできません。
就職に関しては、長期の留学生は、新学期が何月に始まろうが、日本の一斉採用のシステムに乗れません。長期の留学生が増えるのを妨げているのは、この一斉採用というやり方である可能性は大きいと思います。留学生のことを考えるなら、変えるべきはそっちの方じゃないでしょうか。
結局、9月新学期案に対して、留学に都合がよいから賛成と言っている人たちは、実際の事情をよく知ることも、考えることもせず、もっともらしくて受けのよい理由を持ってきたにすぎないということなのです。大事なことを決めるのに、そりゃないでしょ。
しかし、そのほとんどは、夏休みなどを利用して行う短期の留学です。1年以上の留学は、留学生総数の1~2%程度。半年~1年未満の人がせいぜい1~2割。留学生の数を押し上げているのは、1か月未満といった短期の留学者で、何月に新学期が始まろうが、関係ない人が大多数なのです。夏休みと入試や就職の時期が重なると、短期の留学生はむしろ減ってしまうかもしれません。
では、1年以上留学する人にとってはどうなのか。これも、一概に9月が都合よいとは言えません。
私の娘は、高校時代に断続的に留学しました。のべ8か月間。すべて、語学学校への留学です。さまざまな目的・レベルの語学学校があって、留学する時期も自由に選択できました。高校が通信制だったので、学校のテスト期間の合間を縫って留学していました。
高校卒業後は、その年の2月末から約1年間、大学附属の語学学校に通いました。レベルが8段階あって、2か月ごとにテストを受け、次のレベルに上がることができます。そして、8のレベルを終了するとその大学の入学資格が得られます。いつスタートし、いつそのレベルに達するかは、その人次第。途中で別の検定試験のようなものを受けることもできて、ある程度語学力がつくと、それを受ける人も多かったようです。
娘の場合、レベル4から始め、ちょうど1年ほどでレベル8を終えることができました。3学期制の大学で、5月スタートの学期から入学することができました。その大学では、9月・1月・5月と、年間3回入学のチャンスがあります。(ちなみに、5月からの夏学期は、夏休みにして、行かないという選択もできるようです。)
本格的に外国の大学に行こうとするなら、娘のように、まず語学力を磨いてからという人も多いと思います。その場合、9月新学期にこだわることは、あまり意味をなしません。
義務教育の学校の場合、国内で転校するなら、年度の変わり目が都合がよいということはあります。地域によって使っている教科書が違い、学習する内容が前後していたりするからです。でも、留学の場合、一人一人の条件が多様すぎて、9月始まりが都合がよいと一概に言うことはできません。
就職に関しては、長期の留学生は、新学期が何月に始まろうが、日本の一斉採用のシステムに乗れません。長期の留学生が増えるのを妨げているのは、この一斉採用というやり方である可能性は大きいと思います。留学生のことを考えるなら、変えるべきはそっちの方じゃないでしょうか。
結局、9月新学期案に対して、留学に都合がよいから賛成と言っている人たちは、実際の事情をよく知ることも、考えることもせず、もっともらしくて受けのよい理由を持ってきたにすぎないということなのです。大事なことを決めるのに、そりゃないでしょ。
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