ブックトークで、明治時代のことを取り上げるのに、時代のイメージを伝えるために、この本を選びました。
明治~昭和初期の長崎の写真に、越中氏がコメントを書いている本で、これまでにも、何度かパラパラめくってみたことはありましたが、ちゃんと読んだのは初めてでした。
読んでみると、これがとても面白かったです。
最初に目に留まったのは、日露戦争に出ていく兵士を乗せた船の写真です。満艦飾に飾られた小型のはしけがいくつも写っています。沖に停泊した大型の輸送船に向かう船です。岸壁に並んだ多くの兵士や馬の写真もありました。日露戦争に行くのは、新潟など日本海側の港からだとばかり思っていました。
日露戦争に関係するもので、印象的だったのは、ロシアの将軍ステッセルが捕虜になり、長崎の稲佐地区に、9000人余りの兵士と一緒に捕らえられていたときの写真です。捕虜は刑務所のようなところに収容されるものと思っていましたが、民間の普通の家でした。服装も、将軍らしい威厳のあるもので、捕虜に対して、尊厳を損なわない扱いがなされていたことが分かりました。
日露戦争が始まるまでは、長崎港には、冬季になると、ロシアの艦隊が避寒に来ていたそうです。長崎港いっぱいに停泊したロシア艦隊の写真もありました。そうしてやってきたロシアの兵士によって、稲佐地区の遊郭がにぎわっていたそうです。
ロシア革命後、亡命ロシア人が長崎に滞在するようになりましたが、その素地はだいぶ前からできていたことが分かりました。
ブックトークでは、日露戦争から与謝野晶子の伝記につないだのですが、私自身は、この写真集の方がずっと面白かったのでした。
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